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タフピッチ銅(C1100)の特徴・用途と使用上の注意点について詳しく解説

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タフピッチ銅(C1100)の特徴・用途と使用上の注意点について詳しく解説

2021年09月04日

 

タフピッチ銅の特徴・用途と使用上の注意点について詳しく解説|銅板加工com

 

銅素材の種類を選ぶ際、「タフピッチ銅」という銅を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?本記事では、銅加工のプロフェッショナルがタフピッチ銅の特徴・用途と他の純銅との違い、そして実際に使用する際に気を付けなければいけない点について詳しく解説いたします。

 

タフピッチ銅の特徴と用途

タフピッチ銅(C1100)は、非常に純度の高い純銅と呼ばれる銅の一種です。
銅としての純度が高いため、銅本来の加工性や耐食性などの特性に優れています。
純銅のなかでは最も流通しており、入手しやすい素材です。
電気銅を溶解し、ポーリングと呼ばれる脱酸処理を行うことで生産されます。

使用用途としては、タフピッチ銅は非常に高い誘電率を保有するため、電気を通すことを目的とした場面でよく使われます。
例としては、銅線やブスバーなどに使われています。

>>バスバー・ブスバーとは?加工における2つのポイントについて解説

 

 

タフピッチ銅と他の純銅との違いは?

タフピッチ銅以外に、純銅には「無酸素銅」と「脱酸銅」と呼ばれる銅が存在します。

 

無酸素銅

純銅の中で一番酸素含有量が少ない銅です。
タフピッチ銅に比べ抵抗や歪みが少なく、工業製品において重宝されています。
なお、生産の難しさからタフピッチ銅に比べて高価になります。

 

脱酸銅

主にリンなどの脱酸剤を添加して酸素を除去した純銅です。
別の素材が入っていることもあり、タフピッチ銅に比べて誘電率は下がってしまいます。
一方で、水素脆化と呼ばれる、水素原子が金属に吸蔵されて靭性が失われる減少が起きない、という利点があります。

なお、銅の純度は全て99.90%異常ですが、酸素含有量としては無酸素銅、りん脱酸銅、タフピッチ銅の順に含有量が低いという違いがあります。

改めてですが、タフピッチ銅は銅の一般的な特徴はもちろん、無酸化銅に比べて価格が安く、脱酸銅に比べて誘電率が高いという特徴があると覚えていただければと思います。

 

 

タフピッチ銅の注意点

一方で、タフピッチ銅には注意しなければいけない点があります。
今回はその中でも2つの注意点について、ご紹介したいと思います。

 

曲げ加工における注意点

純銅全般に言えることですが、タフピッチ銅はそれほど強度が強くありません。
特に曲げ加工には弱く、厚めの銅板に曲げ加工を施すとクラック(ひび割れ)が起きてしまう恐れがあります。
曲げ加工をしたい場合は、使用用途に合わせて無酸素銅やりん脱酸銅への変更も検討する必要があります。

 

高温加熱の際の注意点

タフピッチ銅は他の純銅と違い、水素脆化を起こしやすいという特徴があります。
先述の通り、水素脆化とは水素原子により金属の靭性が失われる現象です。
一般に600℃程度になるとこの水素脆化は怒ってしまうと言われます。
そのため、溶接や熱間鍛造など、高温加熱する加工には適していません。
また、実際の使用においても、加熱される際には注意が必要です。

素材として以外にも、タフピッチ銅をどのように加工するかによっても注意点は存在します。
自身にとってどの銅素材、どういった加工方法が適切か把握したうえでの活用が重要となります。

 

 

タフピッチ銅の加工事例のご紹介

当社が過去に行ったタフピッチ銅の加工事例をご紹介いたします。

 

銅製 深絞り品

タフピッチ銅の特徴・用途と使用上の注意点について詳しく解説|銅板加工.com

こちらは、銅(C1100)を絞り加工機で深絞り加工を行った製品事例です。

1枚の平らな銅板から、絞り加工機によって絞り加工を行うことで、このようなお椀形状に加工いたしました。

>>詳しくはこちら

 

 

タフピッチ銅の導入を検討されてる場合も銅板加工.comにお任せください!

今回はタフピッチ銅についてご紹介させていただきました。

安価で高い誘電率を持つタフピッチ銅は様々な分野で活躍しています。
一方で、強度に関して注意すべき点があるというのも事実です。
使用用途や環境にあわせて、適切な銅素材・加工方法の選択をしていただけますと幸いです。

最後に、銅板加工.comでは、銅の加工を中心に、精密部品加工のフロンティア企業が様々な技術提案を行っています。
また、銅素材に関するご相談や図面段階からの設計提案も至っております。
お困りの方は銅板加工.comまでお問い合わせください!

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