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無酸素銅の加工における5つのポイント 銅加工のプロフェッショナルが徹底解説!

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無酸素銅の加工における5つのポイント 銅加工のプロフェッショナルが徹底解説!

2021年11月19日

 

無酸素銅の加工における5つのポイント 銅加工のプロフェッショナルが徹底解説!|銅板加工.com

 

純銅の中でも酸素が極小で不純物も除去されており、非常に高い導電性・熱伝導性を誇るのが、無酸素銅(C1020)です。特に、低温環境での熱伝導率の高さやガス放出特性などの特性から、極低温環境下での熱交換器や真空機器にも無酸素銅は多く活用されています。そのため当社にも近年、「研究開発製品の用途として、無酸素銅を使いたい!無酸素銅製の高精度部品を作ってほしい!」というご要望を多数いただいています。

 

この無酸素銅は、軟質で加工がしやすく、複雑な加工に向いている一方で、実は加工が難しい製品としても知られており、多くの部品メーカーは無酸素銅の加工には対応していません。

 

しかし銅板加工.comでは、これまでに多数の無酸素銅の加工を行ってきており、大手メーカーや国の研究機関にも納品してきた実績がございます。本記事では、無酸素銅加工のプロフェッショナルが、無酸素銅の加工における重要なポイントを5つにまとめて解説いたします!

 

 

無酸素銅とは? 特徴と用途について

 

無酸素銅は、純銅の一種で、純銅の中でも最も酸素の含有量が低い銅を指します。日本工業規格では無酸素銅および電子管用無酸素銅の2種類が規定されています、無酸素銅は、純銅の中でも導電性や熱伝導性、加工性に非常に優れている点が特徴です。また無酸素銅の使用用途としては、その特性からブスバーや放熱板などに使用されています。

 

また、残存酸素量は0.001%以下で、高温加熱しても水素脆化(金属素材の靭性の低下)も生じない点が非常に優秀です。

>>無酸素銅とは? 特徴・メリットと他の銅素材・純銅との違いについてご紹介!

 

さらに無酸素銅は、低温環境での熱伝導率の高さが、純アルミニウムや純チタンと比較して10分の1以下となり、圧倒的に高い熱伝導率を誇ります。また無酸素銅は、電気伝導率やガス放出特性なども優れているため、極低温環境下での熱交換器や真空機器にも多く活用されています。

>>低温・極低温環境で銅部品が使用される理由とは? 低温・極低温の違いについても解説

 

 

無酸素銅の加工における5つのポイント

 

無酸素銅の加工におけるポイントは、下記の5つにまとめることができます。それぞれ詳しく解説していきます。

 

①反りを出さない

②傷、打痕を出さない

③構成刃先

③腐食管理

⑤工具

 

 

①反りを出さない

無酸素銅の加工性に関しては、加工対象物の大きさによって変化します。無酸素銅に限らずですが、金属を加工する際は削って除去する体積が大きければ大きいほど、反りが発生していまいます。特に熱伝導率が高い無酸素銅のような材質の場合は、この反りに注意が必要です。

 

>>無酸素銅の加工性は良いの?

 

 

②傷、打痕を出さない

 

無酸素銅は素材自体が非常に軟らかいため、クランプのような取り付け時や搬送時に、傷や打痕がつきやすくなります。そのため、無酸素銅の加工をする際は、クランプにも工夫が必要です。

 

当社では、これまでに培ってきた無酸素銅の加工実績を用いて、傷や打痕を発生させないための製品管理やクランプ技術をノウハウとして蓄積しています。

 

 

③構成刃先

 

無酸素銅という材質は、アルミニウムのように溶着しやすい材質のため、切削工具に構成刃先が発生しやすくなります。

 

そのため当社では、構成刃先を発生させないために、刃物の回転数を上げて切削速度を上げたり、その他の切削条件も最適化するように心がけております。

 

 

③腐食管理

 

無酸素銅に限らずですが、銅は非常に腐食しやすい材料となっています。特に低温環境や真空環境などの過酷な環境で使用される無酸素銅に関しては、わずかな腐食も許されません。

 

そのため当社では、素手で触らない、塩素フリーの切削油(非塩素系切削油)を使用する、真空パックなどの梱包をするなどの対策を施し、徹底した無酸素銅の腐食管理体制を敷いております。

 

 

⑤切れ味の良い工具

 

当社でも無酸素銅の加工時には超硬工具を使用することが多いですが、超硬は発熱が多い材質のため、無酸素銅に熱が伝達してしまい、反りの発生につながってしまいます。また超硬工具は切れ味があまり良くないため、高精度な無酸素銅製品を加工する用途には向いていません。

 

そのため当社では、高精度の無酸素銅製品を加工するために超硬工具を使用する際は、切れ味のよい超硬工具を使用するように心がけております。また、無酸素銅の加工に必要な切れ味から逆算して工具管理をするためにも、高精度な工具の製造や再研磨をしていただける工具業者様とお取引しています。

 

また、無酸素銅の加工に旋盤を使用する際は、ハイス工具よりも超硬工具の使用が多くなります。これは、無酸素銅の旋盤加工でハイス工具を使用すると工具寿命が短くなり品質が安定しないためです。逆にマシニング加工の場合は、ハイスの使用が多くなります(ノウハウに関わる部分のため詳細はお伝えできません)。

 

以上、無酸素銅の加工における5つの重要なポイントをご紹介いたしました。

もちろん他にも様々な細かいノウハウはございますが、まずはこれら5つのポイントに気を付けることで、無酸素銅の加工を安定的に高精度で行うことができるようになるのです。

 

 

 

無酸素銅の加工事例をご紹介

続いて、銅板加工.comが実際に行った、無酸素銅の加工事例をご紹介します。

 

事例①:銅2.5次元加工

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こちらは、クライオスタットに用いられる銅2.5次元加工品です。材質はC1020で、マシニングセンターにて製造いたしました。

こちらのプレート製品は、U溝部に対して高い公差精度を求められていました。そのため、あえてボールエンドミルを使用し、マシニングセンターで2.5軸加工で対応いたしました。

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事例②:高出力加速器配管

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こちらは、高出力加速器に使用されるビーム配管部品です。材質はC1020で、航空宇宙業界向けに使用される製品です。フライス盤にて形状出し及び鏡面加工を行い、一部形状をマシニングセンタにて加工を行っております。

加速器は電子や陽子などを高周波の電力を与え高速に限りなく近いスピードにすることを目的としていますが、その配管においても電気抵抗を限りになくゼロにする、つまり超電導化するため、誘電率の高い銅が選ばれました。

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事例③:C1020製 実験用プレート

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こちらは、C1020製の実験用プレートです。無酸素銅を用いた実験をするため、20×20×2tの純銅プレートをフライス盤にて切削加工いたしました。
汎用フライス盤にてカットから平面加工まで一貫して熟練の職人が行っているため、高精度なテストピースの製造が可能となっています。

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無酸素銅の加工のことなら、銅板加工.comにお任せ!

 

銅板加工.comを運営する株式会社アイジェクトでは、これまで蓄積してきた無酸素銅・銅・アルミ加工の経験とノウハウを駆使し、これからさらに発展する科学技術の分野である極低温環境、真空環境で使用される部品加工も行っております。さらに新しい業界として、航空宇宙への参入も実施しております。
また、ご要望に応じて銅素材に関するご相談や図面段階からの設計提案についても承っております。

研究開発品から量産品まで無酸素銅をはじめとする銅部品の加工でお悩みの際は、銅板加工.comまでお気軽にお問い合わせください。

 

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