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半導体製造装置や真空装置において、バッキングプレートは装置内部で重要な役割を担う部品の一つです。普段は目立たない存在ではありますが、材質や加工精度の違いが、装置性能や安定稼働に大きく影響するケースも少なくありません。
特に近年では、装置の高性能化に伴い、より高い熱拡散性や寸法精度が求められるようになっており、バッキングプレートの材質選定がこれまで以上に重要になっています。
本コラムでは、バッキングプレートに使用される代表的な材質とその特徴を整理し、用途に応じた材質選定の考え方についてご紹介いたします。
バッキングプレートには、ターゲット材や各種部品を安定して保持する構造部材としての役割に加え、発生する熱を効率よく拡散・放熱する役割があります。そのため、以下のような性能が求められます。
• 高い熱伝導性による温度分布の均一化
• 使用環境(真空・温度変化)に対する材質の安定性
• 高い平面度・寸法精度
• EB溶接など接合工程への適性
これらの条件は互いに密接に関係しており、材質選定と加工方法を切り離して考えることはできません。
無酸素銅(C1020)は、バッキングプレートにおいて最も多く採用されている材質の一つです。酸素含有量が極めて少ないため、銅本来の高い熱伝導性を安定して発揮できる点が大きな特長です。
真空環境下では、材料からのガス放出が問題となる場合がありますが、無酸素銅はそのリスクが低く、半導体製造装置や真空成膜装置向けとして豊富な実績があります。また、組織が均一であるため、精密な平面加工や溝加工にも適しており、加工後の品質が安定しやすい点も評価されています。
さらに、ろう付けや拡散接合、EB溶接といった接合工程との相性も良く、複合部品として使用されるケースにも多く採用されています。
クロム銅(CrCu)は、銅に微量のクロムを添加した析出硬化型合金で、バッキングプレート用途において高い形状安定性が求められる場合に選定される材質です。銅本来の熱伝導性を一定水準で維持しながら、無酸素銅と比較して強度・剛性が高い点が大きな特長です。
バッキングプレートは、強い締結力や局所的な発熱、さらには加熱と冷却を繰り返す運転条件にさらされることが多く、これらの影響によって反りや歪みが発生すると、装置性能やシール性に悪影響を及ぼします。クロム銅は、こうした条件下でも塑性変形やクリープが起こりにくく、使用中の形状を安定して維持できるため、精度保持が重要な用途に適しています。
バッキングプレートは、使用環境や求められる性能によって最適な材質が異なります。単純に材料コストだけで判断するのではなく、装置性能や長期的な安定性を考慮した材質選定が重要です。材質特性を正しく理解し、加工工程まで含めて検討することで、装置に適したバッキングプレート製作につながります。
アイジェクトでは、銅を中心とした金属加工の知見を活かし、バッキングプレートの材質選定から加工方法の検討まで、一貫した技術提案を行っています。図面段階からのご相談や、使用環境を踏まえた材質・加工方法のご提案も可能です。材質選定で反りや歪みに悩んでいたり、図面通り作ったが温度ムラが出たりなどのお困りごとや御悩み事は、ぜひ一度アイジェクトまでご相談ください。
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