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バッキングプレートの用途とは? 素材選定および加工におけるポイントについても詳しく解説!

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バッキングプレートの用途とは? 素材選定および加工におけるポイントについても詳しく解説!

2021年09月04日

 

バッキングプレートの用途とは? 素材選定および加工におけるポイントについても詳しく解説!|銅板加工.com

素材の表面に薄膜を成膜する方法として、スパッタを選択する企業様も多いかと思います。
スパッタの際、ターゲット材を固定・冷却するためにバッキングプレートが必要となりますが、バッキングプレートまで意識して加工依頼されている方は少ないのではないでしょうか?

今回はバッキングプレートの特徴・用途と、素材選定および加工におけるポイント、そして実際の加工事例についてご紹介したいと思います。

 

バッキングプレートとその用途とは? スパッタについても解説

バッキングプレートとは、一言で言うと「隣接する金属を冷却するための機能を持った金属板」のことを指します。
銅を素材とすることが多く、薄膜製造の中でもスパッタと呼ばれる手法によって薄膜を形成する際に使用されます。

 

スパッタとは?

スパッタ(英:Sputter)とは、薄膜を成膜する方法の一つです。
真空装置内にスパッタリングターゲットと薄膜を形成したい基盤、アルゴンイオンを入れ、スパッタリングターゲットにマイナスの電圧を印加することでアルゴンイオンをスパッタリングターゲットに衝突させ、その衝撃でスパッタリングターゲットの材料の原子がはじき出され、基盤の表面に膜として降り注ぎます。
他の薄膜成膜の手法との違いとしては、大きな基盤でも短時間で均一に成膜できることが挙げられます。

スパッタリングターゲットそのものにはネジ穴等がなくスパッタの際の真空装置に取り付けることができないため、ボンディング材などを用いてバッキングプレートと接着して取り付けることになります。

また、スパッタを行う際、スパッタリングターゲットの表面にはプラズマが集中し熱負荷が大きくなるため、冷却水などを用いて冷却をすることが求められます。
また、ボンディング材が溶解して剥がれないようにするためにも、恒温にならないようにしなければいけません。

そのため、バッキングプレートには加工がしやすく、熱伝導性の優れた銅が選ばれるのです。

>>銅の分類と7つの特徴をご紹介! ~有名な特徴から意外なものまで~

 

 

バッキングプレートの素材選定および加工におけるポイント

先述の通り、バッキングプレートにはスパッタリングターゲットの『固定』と『冷却』という役割が求められます。
そのため、それぞれの要件にあわせて、素材の選定や加工時の注意点などを考えていく必要があります。
下記に、代表的な注意点を3つ記載しました。

 

①バッキングプレート素材の熱伝導性に注意

一番の注意点は熱伝導性に優れるか、という点にあります。
一般にバッキングプレートには水路があり、水路に冷却水を流してスパッタリングターゲットに熱を伝えることでスパッタリングターゲットを冷却します。
そのため、水路に流れる冷却水の冷たい温度がスパッタリングターゲットまで伝わらないとあまり意味がない、というわけです。

 

②バッキングプレート内の水路形状に注意

適切に冷却するため、水路の形状設計には注意が必要です。
ただ水を流すだけでは充分に冷却されないこともあるため、スパッタリングターゲットの素材やサイズなどにあわせて、適切な水ををつくる必要があります。
また、バッキングプレート内に流れる冷却水の水圧により蓋が変形してしまった、という事例もございましたので、あまりに負荷のかかりすぎる設計にしないようにも気を付けなければいけません。

 

③加工したバッキングプレートの表面処理に注意

バッキングプレートの放熱性を高めるため、ブラスト処理などで表面に凹凸を付けるという事例もございます。
放熱性の効果を高めたくても、依頼した加工業者様が表面処理はいただけず、完成品の納品まで時間とコストがかかってしまう場合があるのでお気を付けください。

 

 

バッキングプレートの加工事例をご紹介

当社が過去に行ったバッキングプレートの加工事例をご紹介いたします。

 

加工事例①:SUS304+無酸素銅製 溶接バッキングプレート

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こちらは、ステンレス(SUS304)と無酸素銅(C1020)の異材質を溶接により結合させたバッキングプレートです。
ステンレス(SUS304)と無酸素銅(C1020)は異種金属となるため、熱伝導率が異なり結合が困難な加工品です。そのため、特殊な加工方法で、表面だけではなく接している内面まで全て結合するように溶接いたしました。

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加工事例②:成膜装置向けバッキングプレート

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こちらは、成膜装置向けのバッキングプレートです。材質はC1020(無酸素銅)で、加工難易度も高い銅板プレートとなっています。
こちらのバッキングプレートは、銅板加工.comの複合NC旋盤にて全周切削加工から、端面加工、周囲の穴開け加工まで、プログラムによってワンストップで加工を行っております。

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加工事例③:C1020製 半導体製造装置向けバッキングプレート

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こちらは、半導体装置で用いられるバッキングプレートです。
材質は純銅(C1020)で、旋盤で全体形状を加工した後に、マシニング加工で細部の形状を加工いたしました。こちらのバッキングプレートでは、最薄部の板厚が2tとなり、ひずみが生じやすい形状となっています。そのため、アニール処理後に加工を実施するように工夫いたしました。

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バッキングプレートの加工なら銅板加工.comにお任せください!

以上、バッキングプレートについて解説いたしました。

銅板加工.comを運営する株式会社アイジェクトでは、このような複雑形状のバッキングプレートや、板厚の薄い高精度バッキングプレートの加工にも対応しております。また、ただ製造するだけでなく、ご要望や製品の使用用途を詳細にお伺いした上で、最適な形状や加工方法のご提案をいたします。

バッキングプレートの加工のことでお困りの方は、まずは銅板加工.comまでお問い合わせください。

 

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